感謝の気持ち
ぽち袋の中には五円玉と共に一枚の挨拶文が入っていました。
私は暇ができるとよく「谷・根・千」を散歩します。
この町をはじめて訪れたのは今から6年程前、ある人の紹介で「WOLF'S HEAD」というショップを訪れたのがきっかけでした。解りにくい地図を片手に千駄木、根津の裏道を徘徊しているうちに、この下町情緒に魅了されてしまったのです。余談ですが、セレクトショップの「SHIPS」も数年前までこの町に本社ビルを構えていました。
私は2年程前から「谷・根・千」を訪れると必ずいく蕎麦屋があります。
まだ新しいその店は、小さいながらもいつも繁盛していて蕎麦の味はもちろんですが、店の雰囲気やサービスにまでちゃんと気を使われているところが気にっています。
先日の正月2日に訪れたとき、支払いのあと女将さんから「今年もどうぞ宜しくお願いします」という挨拶と共に小さな「ぽち袋」をいただいた。店を出たあと袋を開けてみると、中には五円玉と共に一枚の挨拶文が入っており、そこには「平成十五年十月に開店して四年が経ちました。感謝の一言です。原点を忘れず二〇〇八年も頑張って参ります。」と店主の思いが書かれていた。
この短い文章には商売人としてとても大切な、初心忘れずという「謙虚な気持ち」と、お客様に対する深い「感謝の気持ち」が込められているように思う。
昨今の私たちは、年始早々慌ただしくセールに追われる仕事始めが多くなり、商売人として新年を迎えられたことをお客様に感謝するという初心の気持ちを忘れかけてはいないだろうか・・と、この「ぽち袋」をいただいて反省させられた気がします。
TEXT/M.KANESHIRO











