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若いスタッフの、笑えない話

ドラセナの木

先日やっと殺風景だった社内に観葉植物が入った。ドラセナという木だ。 この木は世田谷にある、小さなお店で購入した。ここがけっこうな繁盛店で、私たちが訪れた平日の18時頃も中々の混みようだった。店長らしき女性が、何名かのお客様の接客に追われている中、もう一人のアルバイトらしい若い男性スタッフは、ずっと関係者らしき相手との電話対応をしていた。私も含め、接客待ちのお客様が何名もいらっしゃる。女性店長の「電話はあとでいいから早く接客について!」の声が私の耳に飛び込んできた。彼は訝しげな表情で一旦電話を置いたが、またしばらくして電話が鳴った。なんと彼はまたその関係者らしき相手からの電話と話し込み始めてしまったのだ。 その後彼が、女性店長の逆鱗に触れたのはいうまでもありません。

それから数日、ドラセナの木が配達されてきた。玄関を開けると、配達人はなんと先日の彼だった。私は少し不安を感じたが、なんとか彼は一人で大きなドラセナの木を設置して、明るい笑顔で帰っていった。 ところが2日後、大きなドラセナの木がどんどん傾いてきて、今にも花瓶ごと倒れそうなくらいに傾いてしまった。 すぐ購入した店に電話をすると女性店長が出て、納品前に一度植え替えをしたらしいのだが、搬入を楽にするため水を与えず乾いた砂のまま持ってきたという。当然すぐにたっぷりの水を与えて、土を固めてあげなければいけないのだが、納品に来た彼は納品だけをして明るい笑顔で帰ってしまった。女性店長は何度も何度も電話口で詫びていた。 

「ポストを見てきてくれ」、と上司に頼まれた新入社員が、「郵便入ってましたよ〜」と手ぶらで上司に答える、そんな笑えない話をつい思い出してしまった。
【M・K】

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